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ジョーン・ジョナス | Five Rooms For Kyoto: 1972–2019

ジョーン・ジョナスは、その長きにわたるアーティスト活動を通じて、パフォーマンス、映像、インスタレーションなど、複数のメディアを融合させた表現を追求してきた。テーマを世界の情勢によって少しずつ変化させながら、重層的かつ詩的な構造を持つ作品を、83歳となった現在もなお精力的に発表し続けている。

大学で彫刻と美術史を学んだのち、パフォーマンス作品を手がけるようになったジョーン・ジョナスは、1970年に日本を訪れて能や歌舞伎を鑑賞し、その完成度の極めて高い視覚言語に感銘を受ける。この経験と、同じく日本滞在時に購入したソニーのポータパックというビデオカメラの二つは、ジョナスのその後の作品を大きく変えることとなった。ニューヨークに帰国してすぐ、ジョナスは購入したてのカメラを繋いだモニターを鏡に見立て、その前で即興パフォーマンスを行う自身の姿を録画する。この最初のビデオテープが、ジョナスの動作を、ライブ、モニター、プロジェクションで同時に鑑賞するという画期的な形式のパフォーマンスOrganic Honey’s Visual Telepathy (1972)に発展していった。

本展では、この1972年から今日に至るまでのジョナスの業績を、今回のために特別に構成された5つの部屋で辿る。《Reanimation》(2019年12月12日にロームシアター京都にてパフォーマンス版を上演)、《Lines in the Sand》といった2000年代以降の代表的なインスタレーション作品、作家活動初期のビデオ作品、最新作の《Moving off the Land II》にあわせて、会場となる@KCUAが大学の機関であることから教育者としてのジョナスの一面にも焦点を当て、貴重な教育資料など(一部世界初公開)も紹介した。

(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAウェブサイトより)