ゆらゆらゆれる記憶と痕跡

痕跡を残すことと、消えてしまった記憶、の追いかけっこ。抽象的な絵画を描く櫻井類と、忘却をテーマに映像をつくるジダーノワ アリーナの 2 人による展覧会。

 櫻井の描く人間像はある特定の個人ではなく、イメージによって想起され、絵画から外の世界へと向けられた眼差しは、何かを語りかけている。ジダーノワの映像は、一個人の思い出を通じて、個人を越え、私たちの住む「この」世界を見つめ直す。

 会場は母屋と離れ(蔵)に分かれており、母屋では櫻井の過去から現在に至る作品を観ながら、ジダーノワの作品とあわせて彼の記憶をめぐっていく。一人の人間のエピソードの中から、私たちの過ごす共通の日常を見つけ出し、世界のあり方のひとつを感じてほしい。離れ(蔵)では櫻井の新作である人間像と、ジダーノワが様々な国の出身の人たちからインタビューし構成した映像インスタレーションを展示している。ここでは 2 人の世界観の重なりが、進んでいく時間軸を織りなしている。

アーティスト
櫻井 類 ジダーノワ アリーナ
キュレーター
ジダーノワ アリーナ
出展作家
櫻井類、ジダーノワ アリーナ
キュレーションアシスタント
かおりるら、宮崎サナ
広報デザイン
水野澪
広報映像
水野開斗
主催・企画
ジダーノワ アリーナ
助成
公益財団法人西枝財団、朝日新聞文化財団
協力
アートスペース感
制作協力
京都芸術センター、Quartier em Hafen
会場
瑞雲庵
公式サイト
助成展覧会 2022秋

写真 : 多田 雅輝