植松 奎二 みえないものへ 触れる方法 - 直観 Ways of Touching the Invisible – Intuition
植松奎二は、神戸大学教育学部美術科を卒業した1969年、第1回現代国際彫刻展へ出品、ギャラリー16で初個展を開催しました。以降、現在にいたるまで、自身の身体を用いた空間の存在把握や、人と物体との関係性など、世界を知覚させる作品を数多く発表しています。
本展では、植松は1年をかけて当館の空間と構造を読み解き、ここでしか生み出せないインスタレーション作品を発表します。あわせて、彫刻や立体、ドローイング、写真作品などを展示し、植松が一貫して行ってきた、重力、張力、引力といった見えない力の法則からあらわにしてきた世界の構造・存在・関係について、時空を超えた思考を巡らせる場をつくり出しました。
いつの時代も知覚を超えてある、みえないもの、隠れている事象へと思考を巡らすことは、自らの力によって道を切り開く方法を見つけることになると考えます。植松の作品と直観で対話し思考を深め、この世界を新たに認識する方法を見つけていただければ幸いです。
<作家メッセージ>
みえない地軸
世界の構造、存在、関係をあらわに見えるようにして、何かを発見したい。見えないものを見えるようにしたいと思いながら制作してきた。それは、ときには物と物との間にある重力、引力といった、目に見えない普遍的な力への関心であったり、根源的なものと宇宙的な力への素朴な関心である。そして、自然や地球、宇宙と云ったものに囲まれている、人間の存在に対する問いかけである。
植松 奎二 2002年