周辺・開発・状況 -現代美術の事情と地勢-
本展覧会「周辺・開発・状況 -現代美術の事情と地勢-」は、現代美術の現在地を再考する試みとして企画されました。三つの視点 – アーツアンドクラフツ運動の再評価、思弁的実在論以降の物質と物語の関係性、そして欧米中心の美術史に対する東アジアの第三世界的視点 – を軸に、現代の芸術実践を捉え直します。
下瀬美術館は瀬戸内海に面し、広島・宮島に隣接する大竹市に位置しています。この土地は戦後東アジアの記憶を抱えつつ、未来へと開かれた可能性を感じさせる特異な場所です。そこで1980〜2000年生まれの若手作家が参加し、新たな視点を提示します。そのような挑戦的な企画の実現に並走いただいた、下瀬美術館および丸井産業株式会社からの寛大な支援に改めて感謝いたします。
私は環境という概念の多層性に関心を持ち続けてきました。また建築家・坂 茂氏の思想や、大阪万博との時代的交差も念頭に、本展では日本と東アジアにおける環境という概念の受容史から思考を始めました。企画の過程では、東アジアのアーティストやキュレーターとの交流を深め、李静⽂ 、松⼭孝法 、根上陽子という3名のキュレーターとの共同キュレーションへと発展しました。そして日本、韓国、中国・香港、ミャンマー、インドネシアで精力的に活動する5カ国・9名のアーティストと対話を重ね、新作を含めた作品発表へと結実いたしました。
本展を通じて、芸術がもつ対話の力と、その普遍的な価値を改めて感じていただければ幸いです。2025年という節目において、多くの方々が東アジアにおける現代美術の現在を目撃されることを願っています。
チーフキュレーター 齋藤恵汰


















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