丸木 位里 (まるき・いり)
丸木位里は、1901年6月20日に広島の太田川上流の船宿兼農家に生まれた。戦前には前衛的な美術団体である歴程美術協会や美術文化協会に加わり、抽象やシュルレアリスム(超現実主義)を取り入れた独自の水墨画を発表して高い評価を受けた。1941年に油彩画家の赤松俊子と結婚。1945年に広島に原爆が落とされた時には、数日後にかけつけ、その様子を目撃した。やがて夫婦共同制作で《原爆の図》の制作に取り組み、30年以上の歳月をかけて15部の連作を完成。その一方で風景を中心としたスケールの大きな水墨画を数多く残している。1995年10月19日永眠、享年94歳。