谷中佑輔 弔いの選択

 谷中佑輔は、人間の身体を自律したものではなく周囲からの影響を受ける存在として捉え、環境や他者との関係性の中で身体がどのように現れうるかについて、彫刻やダンス、パフォーマンスなどの領域を横断しながら表現してきました。

 本展では、老いや怪我、障害といった全ての身体が本質的にはらむ脆弱性と、それを克服しようと日々進化する医療技術が私たちに抱かせる欲望や儚い希望、また必ずしも思い通りならない脆さを抱えながら生きることなどについて考察し、インスタレーションや彫刻、映像、パフォーマンス、 ドローイングを発表します。

 展覧会タイトルの「弔い」という言葉には、時とともに病気や死によって不可避的に失われていく身体の機能に対して、私たちはどのようにその喪失と向き合いながら生きていくことができるのかという問いが込められています。完全な治療や回復の見込みがない場合でも、私たちは日々変わりゆく現実に折り合いをつけながら生きていかなければなりません。健康な人もそうでない人も、誰もが囚われているこの不確かで不安定な身体について、あらためて見つめ直す展覧会となります。

アーティスト
谷中 佑輔
主催
十和田市現代美術館
協賛
株式会社メルコグループ
助成
公益財団法人 小笠原敏晶記念財団、公益財団法人 野村財団
協力
一沢コンクリート工業株式会社、大阪中之島美術館
後援
青森朝日放送、青森テレビ、青森放送、エフエム青森、デーリー東北新聞社、東奥日報社、十和田市教育委員会
企画
外山有茉
会場
十和田市現代美術館
公式サイト
谷中佑輔 弔いの選択

「谷中佑輔 弔いの選択」展示風景画像 撮影 : 小山田邦哉