松田 豐
1942年、大阪市に生まれる。1998年没。
具体美術協会在籍期間:1967-1972
浪速短期大学(現・大阪芸術大学短期大学部)の美術科を卒業した後、1966年の第17回具体美術展に参加。翌年には会員となる。その機械仕掛けの作品群は、環境芸術の文脈に位置づけられ、聴濤襄治や今井祝雄とともに、「空間から環境へ」展にも出品した。
松田の手がける平面作品は、モーターによる、反復的な運動を特徴とするが、作品名が喚起するとおり、その動きはいかにもユーモラスである。正方形という形式と、白という色彩が多く選ばれている理由は、物体としての存在感を希薄化し、機械の運動それ自体に意識を集中させるためであろう。1965年以後の具体における、キネティックな傾向を象徴する仕事であると言える。