Artists

吉田 稔郎

1928年、神戸市生まれ。1997年没。
在籍期間:1954-1972

 1953年より吉原治良に師事。自由美術協会展、ゲンビ展などに出品。1954年の具体美術協会の結成に参加する。
 初期においては空気銃で画面に穴をあけたり、板を焦がして画面を構成したり、絵筆の代わりとなる方法を模索した。1956年の第2回具体美術展では、如露を使用して描いた作品を制作し始め、60年代半ばまで続いた。当初は平らな画面に絵具の無数の飛沫が散るものであったが、後には凸凹の激しいマチエールに如露の大胆なストロークが重なるものとなった。1965年の第15回具体美術協会展以後は、熱帯魚用ポンプでフラスコの中へ入れた洗剤から泡を発生させる作品やウレタンフォームによる作品を発表した。
 制作の傍ら、吉原治良の秘書役、具体美術協会の会計、連絡係などを兼任し、具体の活動を支えた。