西野 達
西野達(にしの・たつ、b.1960)は愛知県に生まれ、武蔵野美術大学を修了後、1987年に渡独、ミュンスター芸術アカデミーで彫刻を学びました。以後1997年からは公共空間を中心に大型プロジェクトを行い、現在はベルリンと東京に拠点を持ち、各都市を行き来しながら活動しているアーティストです。そのアーティスト名も、西野達、大津達、西野竜郎、西野達郎、Taturo Atzu、Tatzu Nishi、Tazu Rons、Tatzu Oozu、Tatsurou Bashi、そしてTazro Niscino・・・、と様々に変更し続けており、既視感をずらしながら多彩な顔を持つ、稀有な存在のアーティストです。
西野達の主な展覧会には、「横浜トリエンナーレ」(2005年)、「Ecstasy エクスタシー」(2005年・ロサンゼルス現代美術館)、「天上のシェリー」メゾンエルメス(2006年・東京)、「Kaldor Art Projects」(2009年・シドニー)、「あいちトリエンナーレ」(2010年)、「Manifesta 10」(2015年・エルミタージュ美術館・サンクトペテルスブルグ)などがあり、近年の主なプロジェクトに、「シンガポールビエンナーレ 2011」でマーライオンを取り込んでホテルを建設した「The Merlion Hotel」(2011年・シンガポール)、「TRACK」(2012年・ ゲント、ベルギー)で発表した中央駅の時計台を組み込んだホテルプロジェクト「Hotel Gent」、またマンハッタンに立つコロンブス像の周辺をリビングルームにした「Discovering Columbus」(2012年・NY)などがあり、国や街のシンボルと関係する大規模なプロジェクトを展開し、国際的な評価を得ています。
これらのプロジェクトは、行政が決して喜ばないであろう作品を作り続けているにもかかわらず、2017年度「芸術選奨美術部門文部科学大臣賞」を受賞。
以後も、大型屋外インスタレーション4点と写真9点からなる大規模なプロジェクト「BEPPU PROJECT」 (2017年・別府)、また翌年「Enfance / こども時代」(2018年・パレ・ド・ドーキョー、パリ)に参加し、そのエントランスに巨大なドールハウス「A Doll’ s House」を Amabouz Taturoの名で発表、大きな話題を呼び、その異名を確固たるものとしました。
- 公式サイト :
- Tazu Nishi
- 撮影 :
- 洞沢佐智子