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高橋勝蔵

陸奥国亘理郡(現・宮城県亘理町)に生まれる。1871年、亘理伊達氏の開拓団と共に北海道に移る。1875年から1877年にかけて、電信技術修業のため上京。西南戦争に出征後、郷里に戻る。1879年、日本画家を志して再上京。渡米は1885年、横浜で輸出向けのハンカチなどの絵付けに従事していたところ、職工として迎えられた。その後、カリフォルニア・スクール・オブ・デザインに学び、いくつもの展覧会に出品。またシカゴへと移ってからは、舞台背景画を学ぶ。1893年に帰国し、東京芝に芝山研究所を設立、芝山と号して指導者となり、日本の舞台美術の振興にも尽力した。1894年、第6回明治美術会に滞米作の油彩と20数点の水彩を出品。特に水彩の表現力が三宅克己らを刺激し、渡米を促したという。以後は次第に中央画壇から距離を置き、1912年ごろからは北海道や郷里の亘理に戻って活動した。1917年、東京で没。

高橋勝蔵《静物》 :
1891年 油彩、キャンバス 東京藝術大学蔵