許 家禎(シュ・ジャージェン)
許家禎は台湾の彰化で1986年に生まれ、国立台湾藝術大学で彫刻の美術学士号を取得しました。彼の作品は、歴史と美学を互いに融合させながら、人間活動と物質間における変化の再解釈を行なっています。彫刻によるアプローチをもって彼が探求するのは、物質の重要性と感性を観察するための新しい手法です。それにより、人、物質、そして産業間の変化する関係性を紐解こうとしています。許の初期の作品は、記念碑にまつわる歴史的談話、そして美的トレンドの変化を反映させながら、今日存在する国内のモダニズム彫刻家が台湾における都市開発の過程と政権交代をどのように通り抜けたかを分析しています。その作品は、「台座」、「記念物」、「彫刻」の認識に対する価値観の変化を再解釈するものです。許にとって物質とは、時代ごとに変化するトレンドを反映するだけのものではありません。新旧の二元的存在であるそれは、精神的アイデンティティーから生じるものでもあるのです。歴史への郷愁に浸ることなく存在のための3つ目の特質をどのように作り出すか、という問いは、許の美的探求の基盤となっています。過去の展示には、台北の関渡美術館での「走私:ㄧ個越境的生命經濟學(So Far, So Right: A Study of Reforms and Transitions Across Borders)」(2018)、台北国際藝術村での「又在這裡,又在那裡-2018寶藏巖光節(Here & There – 2018 Treasure Hill Light Festival)」(2018)、高雄の駁二芸術特区で開催されたFORMOSA Sculpture Biennialの「何以為度?(Incommensurable)」(2015)、高雄の高雄市立美術館で開催された「蟲洞劇場(Wormhole Theater, 文件編號:E120N23)」(2014)、高雄の弔詭畫廊(Crane Gallery)で開催された「穿走地中(Land Up in the Ground)」(2013)、タイのタイ・ラチャブリで展示された「Street Art: We Are the City」(2013)、新竹の藝術8での個展「All Is Not Forgotten」(2013)、台南の57藝術工作室での「都是更新(Curatorial):Abandoned by Life」(2012)、そして台北の南海藝廊での「高難度失誤(Difficult Mistake)」(2011)があります。