向井 修二
1940年、神戸市に生まれる。
具体美術協会在籍期間:1961-1972
中学時代芦屋に住んでいたことから、1950年代の真夏の太陽にいどむモダンアート野外実験展、野外具体美術展の頃から具体の活動を目にしていた。1959年の第8回具体美術展に初出品。翌年の第10回具体美術展に記号で埋め尽くされた作品を発表する。記号化された作者本人が作品の中に入り込んだ≪記号の部屋≫や、店内の全てを記号化した「ジャス喫茶チェック」など、あらゆるものの価値を上塗りする「記号化」をテーマに制作。強制的にものの持つ意味を剥奪する「記号化」により、既存の固定化した価値観に疑問を投げかけた。活動は美術の分野にとどまらず、具体解散後は店舗設計やファッション、医療関係者に向けたビジネス展開など、絶え間なく湧き出るアイディアを多様な分野で発揮したが、通底するのは既存の価値観に囚われず、定型化、形骸化しないという姿勢である。