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清水登之

栃木県下都賀郡国府村(現・栃木市)に生まれる。陸軍士官学校への受験に失敗した後、1907年、単身アメリカへ渡航する。しばらくはシアトルや近郊で肉体労働に従事するが、1912年にオランダ人画家フォッコ・タダマが同地で開いていた画塾に入る。1917年にニューヨークへ移り、デザインの仕事をしながらアート・ステューデンツ・リーグでジョン・スローンらの教えを受け、またリーグで学んでいた国吉康雄、石垣栄太郎らと親交を結ぶ。1919年、結婚のため帰国し、翌年ニューヨークに戻る。1921年に第34回アメリカ絵画彫刻年次展に《ヨコハマ・ナイト》が招待出品される。しかし一旦は受賞が決まったものの、アメリカ人でなかったことを理由に受賞を取り消されてしまう。ニューヨーク在住の日本人美術家たちと「画彫会」を組織し、1922年の「ニューヨーク市日本人美術家協会絵画彫刻展」にも《ヨコハマ・ナイト》は出品された。その後1924年にパリに移住、サロン・ドートンヌなどに出品。1927年に帰国してからは東京を拠点に活動し、独立美術協会の結成に加わるが、1932年より従軍画家として、中国や東南アジアでも描く。1945年、終戦直後の12月に死去。

清水登之《ヨコハマ・ナイト》 :
1921年 油彩、キャンバス 和歌山県立近代美術館蔵