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重松岩吉

1887年東京あるいは佐賀県出身か。渡米当初、西海岸で活動し、1906年のサンフランシスコ大地震でロサンゼルスに転居。1915年の国勢調査ではニューヨークに居住。働きながらニューヨークのアート・ステューデンツ・リーグに通って石垣栄太郎らと親交を持ったと思われる。1917年4月の第1回ニューヨーク独立美術家協会展にはニューヨークの住所から出品したが、1918年にかけてカリフォルニアで活動していたようだ。この時期、重松はロサンゼルスのアート・ステューデンツ・リーグで活動し、メキシコも訪れたとされる。
1921年4月前後に帰国し、9月には第8回二科展に出品。1923年、三科インデペンデント展に出品。日本ではこの時期の活動が主に注目され、大正期新興美術運動のひとりとされるが、関東大震災前後に活動から離脱。1925年には台湾に居住。1929年7月に台湾日日新報社で個展を開催。その後、中国本土に移るが、1930年代に外交官として広東に赴任した須磨弥吉郎の知遇を受け、広東で2回、上海で1回個展を開催して、戦後日本に帰国したとされる。没年、没地不詳。

重松岩吉《牛》 :
大正期(1912–26年) 油彩、キャンバス 京都国立博物館蔵(須磨良子氏寄贈)