Artists

村上 三郎

1925年、神戸市に生まれる。1996年没。
具体美術協会在籍期間:1955-1971

 1948年、関西学院大学哲学科を卒業。後に同大学院で美学を学んだ。1949年、芦屋の伊藤継郎に師事し、「村上彦」の名前で翌年から新制作協会展に出品。同展で出会った白髪一雄、金山明らと1952年、「0会」を結成した。
 翌年の白髪との二人展の会場で吉原治良と出会い、1955年具体美術協会に参加。第1回具体美術展でハトロン紙を太鼓張りにした21枚の壁を体当たりで突き破る《通過》(通称「紙破り」)を発表。具体の活動初期の「アクション」として象徴的に語られる作品となった。時計入りの木箱、空気を閉じ込めたガラスの箱、時間と共に剥落が進む絵画など、思考の過程を想起させる作品も多く発表した。その一方で、激しいストロークで鮮やかな色の絵具を塗り重ねたり、石膏や布などを貼り付けたタブローを制作するなど、制作のスタイルは変遷を続けた。