Artists

ディエゴ・リベラ

メキシコのグアナフアト市に生まれる。1898年から1905年にかけて、サン・カルロス美術学校で学んだ後、1907年、マドリードやパリなどで活動する。さまざまな様式を試みるなかで、キュビスムに傾倒。1917年、美術評論家のエリー・フォールと出会い、非西欧美術の価値や美術の社会的役割を尊重する考え方に感銘を受ける。またフォールの勧めもあり、1920年にはイタリアでルネサンス期の壁画を研究する。
1921年にメキシコに帰国。メキシコ革命後の民族主義的精神の高揚と自国のアイデンティティの確立を、芸術によって成就させようとする文化政策を受け、シケイロスやオロスコらとともに壁画運動を推進。1930年から手がけたアメリカ各地での壁画制作にはさまざまな若い美術家たちが関わっており、ニューヨークのロックフェラーセンターでの壁画制作(1933年)には野田英夫が、サンフランシスコのゴールデン・ゲート万国博覧会での壁画制作(1940年)はミネ大久保が、それぞれ助手として参加している。ニューヨークの石垣栄太郎が1930年代からより大きな画面に社会へのメッセージを強く打ち出した背景には、明らかにリベラらメキシコ壁画運動への共感が見られる。

ディエゴ・リベラ《[風景]》 :
1910年代 水彩 紙 個人蔵