Artists

ピピロッティ・リスト

1962年スイスのザンクト・ガレン州グラブスに生まれる。1980年代半ばからヴィデオを用いて作品を制作・発表、一貫して人間の眼を「血の通ったカメラ(blood-driven camera)」と呼び、身体的リアリティとテクノロジーの融合によって映像作品の可能性を拡張したマルチメディア・インスタレーションのパイオニアとして国際的な評価を得ている。鮮やかな色彩とポップな音楽を融合させたヴィデオ・インスタレーションは、国や世代を超えて幅広い観客を魅了してきた。
1997年ヴェネチア・ビエンナーレでフェミニズムの記念碑的作品《永遠は終わった、永遠はあらゆる場所に》を発表し、若手作家優秀賞(プレミオ2000)を受賞。2000年にニューヨーク・タイムズスクエアの大型スクリーンで展開した《わたしの草地に分け入って》、ヴェネチア・ビエンナーレのスイス代表として発表したサン・スタエ教会での円天井投影《ホモ・サピエンス・サピエンス》(2005年)、ポンピドゥー・センター前広場での夜間投影《星空の下で》(2007年)、ニューヨーク近代美術館での《あなたの体を溢れ出させて(7354立方メートル)》(2008年)など、大規模な公共空間でのプロジェクトを次々と手がける。2009年には初の長編映画『ペパーミンタ』にも挑んだ。2010年代は欧米を中心に主要美術館で個展が開催されており、2011年ヘイワード・ギャラリー、2016年チューリヒ美術館、2016年ニュー・ミュージアム、ニューヨーク、2017年オーストラリア現代美術館、2019年ルイジアナ近代美術館などがある。

公式サイト :
Pipilotti Rist video artist
サムネイル写真 :
© Gian Marco Castelberg Photography