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野田英夫

カリフォルニア州サンタクララに、移民の子として生まれる。米名ベンジャミン。1911年、3歳で郷里熊本の叔父のもとに預けられ、日本の教育を受ける。1926年、県立熊本中学を卒業後、18歳を前に「帰米」。1929年、サンフランシスコのカリフォルニア美術学校に通い、寺田竹雄やミキ早川、ヘンリー杉本らと親交を深める。この間、同校へ壁画制作に来ていたディエゴ・リベラの助手を務める。1931年、ニューヨークのアート・ステューデンツ・リーグで、壁画やテンペラ画を研究。この頃、ジョン・スローン、ジョージ・グロス、石垣栄太郎らから社会主義リアリズムの影響を受ける。1930年代前半はサンフランシスコとニューヨークの両地で活動し、1933年にはリベラのロックフェラーセンター壁画制作を手伝った。1934年、ホイットニー美術館第2回ビエンナーレに招待出品、買い上げとなり、WPA(公共事業促進局)の仕事を受けて自身も壁画を制作。1934年12月、日本に帰国。1935年3月には銀座で初の個展を開催、また第22回二科展にも出品。翌年から1937年まで、一時アメリカに戻るがその後、ヨーロッパを経て再度日本に帰国、池袋モンパルナスと呼ばれたアトリエ村に住んだ。1938年脳腫瘍を発症し、30歳の若さで没。

野田英夫《帰路》 :
1935年 油彩、キャンバス 東京国立近代美術館蔵