ヨシダミノル

1935年、大阪府に生まれる。2010年没。
具体美術協会在籍期間：1965-1972

　具体に入ったのは1965年、高校および大学の先輩である白髪一雄を介してだった。もともとアンフォルメル風の流動的な画面を手がけていたヨシダだが、具体時代には一転して、植物や女性器を彷彿とさせる記号的な形象や、歪んだ鏡像然とした色面を提示。その後、1967年には絵画という形式から離れ、機械仕掛けの、動く立体作品を手がけるようになる。花弁のような形をした、蛍光色の透明プラスチックが回転し、ブラックライトで照らされるそのさまは、サイケデリックと形容されるにふさわしい。光で、音で、展示空間に働きかけるヨシダの実践は、「環境芸術」という文脈に位置づけられることになるだろう。1970年、万博開催の直前に渡米したヨシダは、ニューヨークの地で、音響や身体による表現を探求した。