猶原 通正
1941年、神戸市に生まれる。1995年没。
具体美術協会在籍期間:1965-1972
1962年、第12回モダンアート展に出品。その翌年、上前智祐の紹介で第16回芦屋市展に参加し、1965年の第15回具体美術展を経て、会員となった。以後、第21回展まで継続して参加し、大阪万博のみどり館エントランスホールにおける展示にも出品している。具体解散後は制作活動から離れ、子ども向けの絵画研究所を設立。廃材を使った工作を指南する出版活動をおこなった。
猶原の作品は、無数の緩やかな曲線を特徴とする。黒い背景を覆い隠すほどに配されたそれら白い線は、それぞれが細かな揺らぎを伴っているため、鑑賞者の目を混乱させるだろう。動きを感じさせるその画面は、1965年以後の具体の傾向に沿うものだった。