Artists

国吉康雄

岡山市に生まれる。1906年、岡山県立工業学校染織科を中退して西海岸へと渡る。公立学校に通うなかで、教師から美術学校で学ぶことを勧められる。ロサンゼルスのカリフォルニア美術デザイン学校に学んだのち、1910年にニューヨークへ移住。1916年にはアート・ステューデンツ・リーグで同時期に通っていた石垣栄太郎や清水登之とも親交を深める。1918年「紐育日本美術協会主催展覧会」や、1922年「ニューヨーク市日本人美術家協会絵画彫刻展」、1927年「紐育新報社主催 邦人美術展覧会」などにも参加。1922年の初個展で、アメリカのフォークアートからヒントを得た鳥瞰図的な風景画が評価される。1925年と1928年にはヨーロッパに滞在。1929年、ニューヨーク近代美術館の「19人のアメリカ現代作家展」に選ばれ、画壇の地位を確立した。1931年に一時帰国。1930年代には、静物画、風景画に心象を託すほか、どこに属するのでもない物憂げな女性像を多く描いた。太平洋戦争中は、日本の軍国主義に反対する立場を貫く。戦後1948年には、ホイットニー美術館にて回顧展を開催。1952年にはベネチア・ビエンナーレ展にアメリカ代表4作家のひとりとして選ばれたが、翌1953年にニューヨークで没した。

国吉康雄《乳しぼり》 :
1921年 油彩、キャンバス 和歌山県立近代美術館蔵