Artists

今中 クミ子

1939年、大阪市に生まれる。
具体美術協会在籍期間:1965-1972

 1965年の第18回芦屋市展で吉原治良の目にとまり、同年、第15回具体美術展への出品を機に会員となる。発泡スチロール板の支持体のうえ、赤や青や黄の金属板が渦巻き状に埋め込まれたその作品は、見る角度によって様相を変え、イメージを固定させない。彼女の仕事をめぐり、異口同音に繰り返される「オプティカルな」という評価は、この時期の具体の関心がどこにあるかも教えてくれるだろう。1969年、グタイピナコテカで個展を開催した際には、展示室に紐を張りめぐらせる作品を発表。「ヒモによってもたらされる関係の図式」そのものを提示しようとするその試みは、同時代の、環境芸術の傾向に対する今中なりの応答だった。