大原 紀美子
1934年、西宮市に生まれる。2003年没。
具体美術協会在籍期間:1956-1972
当初日本画を学んだが、のちに抽象画に転向。1954年の第7回芦屋市展に出品し、吉原治良と出会った。初めての具体美術展は1956年の野外具体美術展で、風の力で揺れ動く立体作品を発表した。以降は赤や黄色を中心とした明快な色彩で、絵具を分厚く盛り上げる、盛り上げた絵具を素早くスキージでカンヴァス上に伸ばすなどして、物質感を強調したタブローを制作。明るい色調かつボリューム感のある絵具で画面を埋め尽くすスタイルから展開し、1969年の具体美術小品展で発表した、暗めの青と緑を基調としたタブローで吉原治良の称賛を受けた。これらの作品においては、それまでみなかった余白が出現し、構成に対する研ぎ澄まされた意識を垣間見ることができる。