森内 敬子
1943年、大阪市に生まれる。
具体美術協会在籍期間:1968-1972
1968年に具体の会員となる以前から、森内はたびたび、具体美術展に参加していた。吉原治良との出会いは1962年、まだ大阪樟蔭女子大学の学生だった頃に遡る。パリへの留学を予定していたため、入会の誘いは保留にしたが、「パリではなくニューヨークに行くべき」という吉原の勧めに押されて、行き先を変更。1965年に渡米し、アド・ラインハートが住むビルの一室を住居兼アトリエとした。
具体入会のきっかけとなる1968年の新人展では、白い座布団108個を並べた作品を発表。色なき白を反復させるという身振りは、ミニマル・アートさながらだが、一列に並ぶその姿は梯子のようで、また「108」という数字がそもそも意味深長である。無意味と意味とのあわいで宙づりになった作品だと言えるだろう。