Artists

聴濤 襄治

1923年、神戸市に生まれる。2008年没。
具体美術協会在籍期間:1966-1972

 神戸で小磯良平に師事し、戦後は行動展に出品。1965年、ニュージオメトリック・アートグループに参加した聴濤が、具体の会員になったのは翌年のこと。行動展で吉原治良の目にとまったことが、きっかけだった。
 聴濤は、個性の表出という問題から離れ、もっぱら鑑賞者の視覚体験に照準を合わせている。細かなストライプにいくつものレンズを重ね合わせた作品や、テレビの部品を利用しモアレ現象を生じさせる作品など、錯視や幻覚を引き起こすその仕事は、オプ・アートと呼ぶにふさわしい。1966年の展覧会「空間から環境へ」をはじめ、環境芸術に関わる数多くの展覧会に参加しており、その活動は具体だけにとどまるものではなかった。