三村 逸子
1959- 兵庫県生まれ
大阪芸術大学で版画を学ぶ。82年東門画廊で初個展、以後、京阪神の画廊を中心に個展、グループ展多数。85年、南米の作家ボルヘスに着想した版画を大阪(天野画廊)と東京(ギャラリー・アルシュ)で同時に発表。同時期、海図を支持体にドローイングを描いた作品を発表するなど次第に絵画へと移行し、「アート・ナウ’86」出品作では油彩による着彩も試みる。手の動きを伝える線描は生命であり、それはやがて種子や葉や水のしたたりといった具体的な形を出現させた。画面に強く息づく面の登場と技法の広がりも著しい。91年、福田新之助ら大阪芸術大学出身のメンバーと「クンスト・クラフト・クルップ」を結成してユニットでも作品を発表する。現在に至るまで、生命のエネルギーをテーマに制作と発表を続ける。