ホー・ツーニェン
ホー・ツーニェンは、歴史や伝承を丹念にリサーチし、アジア全域にまたがる複雑な物語を織物のように紡ぎ出す。その作品からは、単一的な視点を越えた、多層的なアジアの歴史が見えてくる。映像、インスタレーション、サウンド、演劇といった従来のジャンルを自由に横断しつつ展開するその世界は、壮麗さや優雅さをまといつつ、虚構と真実の間で「正史から抜け落ちた物語」を亡霊のように蘇らせる。ホーの語りによって、時に暗く、時に妖艶に、現代につながるアジアの歴史が浮かび上がる。
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- Matthew Teo for ArtReview Asia Spring 2017