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中村 宏

1932(昭和7)年、静岡県浜松市に生まれる。1951年に上京し日本大学芸術学部美術学科に入学すると、1953年に青年美術家連合に参加し、1950年代の政治的な事件や社会的な状況を取材し描く「ルポルタージュ絵画」の代表的な作家の一人となる。
1960年~1970年代前半に中村が絵画やグラフィックに繰り返し描いた、セーラー服の少女や蒸気機関車のモチーフは、時代の気分と響き合い、鋭敏な若者の心をとらえた。
1970年代後半以降は、絵画の構造上の問題を解き明かす「タブロー機械」など独自の方法論を模索し実践している。2022年には、少年時代を過ごした浜松での戦争体験をルポルタージュ絵画の手法で描いた「戦争記憶絵図」を発表するなど、創作の意欲は現在まで衰えるところがない。
中村宏の日本の公立美術館での個展としては、これまでに2007年「中村宏|図画事件1953-2007」(東京都現代美術館、名古屋市美術館)、2010年「タブロオ・マシン〔図画機械〕-中村宏の絵画と模型」(練馬区立美術館)、2015年「絵画者 中村宏展」(浜松市美術館)などが開かれている。本展は公立美術館で10年ぶりに開催する中村宏の個展となる。2026(令和8)年1月8日、93歳にて逝去。