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彦山禎吉

静岡県生まれ。1918年の徴兵登録に記された母の住所から、おそらく江尻町(現・静岡市清水区)出身であろう。また乗船者記録によれば、1902年にサンフランシスコに到着。1919年頃から25年頃まで、サンフランシスコ在住の社会主義者岡繁樹の家に寄寓しながら、岡の金門印刷所を手伝う。1921年、小圃千浦や日比松三郎とともに、東西美術協会を設立。同会の資料として現在見つかっているのは1922年の第2回展目録だが、彦山は小圃に次いで多い12点を出品した。カリフォルニア初の日本人版画家とされ、版画作品の頒布会が発足した。1926年にはサンフランシスコ在住の若手画家による三原色画会の発足に関わる。1932年、帰国直前には、サンフランシスコの金門学園にてアメリカ最後の個展を開催。1951年の第3回および1954年の第6回日本アンデパンダン展には油彩を出品。1957年東京で没。

彦山禎吉《海岸風景》 :
1930年頃 油彩、キャンバス スタンフォード大学 カンターアートセンター蔵