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浜地清松

和歌山県東牟婁郡津荷村(現・串本町津荷)に生まれる。古座高等小学校を卒業したのち、1901年、16歳の時に兄の清吉を頼って渡米した。サンノゼ・ハイスクール在学中に描いた祖父の肖像を教師に認められ、ボストン美術館附属美術学校に進学。1909年に卒業後はニューヨークに移住し、図案制作などで生計を立てながら作品を制作した。1910年代中頃、紐育日本美術協会や、1920年には日本人画会にも参加。同年に帰国したのちは、郷里の少し北にある新宮市で洋画研究所を開き、同地方の油絵の普及に尽くす。1925年に再び渡米。1927年2月に開催された「紐育新報社主催 邦人美術展覧会」に参加したのち、すぐパリへ渡った。パリではサロン・ナショナルなどに入選を果たし、1928年に帰国してすぐの帝展(帝国美術院展覧会)では、《赤い帽子》(和歌山県立近代美術館蔵)が特選となるなど評価を高めた。翌1929年には、第一美術協会の結成に参加。1947年に逝去するまで同会や帝展、新文展などを中心に活躍した。

浜地清松《暖炉》 :
1911年 油彩、キャンバス 和歌山県立近代美術館蔵(古座町立津荷小学校寄贈)