吉原 英里
1959- 大阪府生まれ
83年嵯峨美術短期大学版画専攻科修了。84年番画廊で初個展、版画紙と雁皮紙の間に本物のティーバッグや荷札、新聞などを挟んでプレスする独自の「ラミネート技法」による作品を発表。個展や国内外の版画展やグループ展に数多く参加。85年和歌山国際版画ビエンナーレ(和歌山県立近代美術館)、87年リュブリアナ国際版画ビエンナーレ(スロヴェニア)に出品する。86年の《M氏の部屋》では、現物と版画や絵画を壁に配置し、鑑賞者をも包括する空間としての作品を構成した。2000年代からは寒冷紗を用いたタブローのシリーズを制作。00年、ミラノで個展を開催。身近な事物が丹念に現わされた画面には、そこにいるはずの人物の不在が際立って感じられる。